東野圭吾 『白夜行』

数年前、ドラマ化されて話題になっていた。
重そうなテーマに惹かれつつも、観た事はない。
それでも、事件の概要と犯人は、自然と耳に入って来た。

今年、堀北真希・高良健吾主演の映画版を観に行った。
が、観客そっちのけの展開で、訳が分からなかった。
尤も、叙事的な物語進行が、作品の特徴なのだが。

で、試験も終わった事だし、原作を読んでみた。
惹き込まれた。八百数十ページが、短く感じられた。

ある殺人事件から始まった、2人の男女の影の人生。
桐原亮司と唐沢雪穂、2人の接触が描かれる事はない。
19年に亘る物語は、彼らの関係者の視点によって進行する。

その為、主人公である2人の心理描写は殆どない。
事件の真相も、全てが解き明かされる訳ではない。
亮司と雪穂、それぞれと接触した登場人物を通して、
読者は推理や想像によって、彼らの19年間を補完する。
それが面白かった。小説ならではの楽しみだと思う。

とは言え、後味は良くないし、愉快な話でもない。
19年で起こった数々の事件は、何一つ解決していない。
それでも、だからこそ、読み返してみたくなる。
何気ない描写が実は大きな伏線、というのが多々あった。
あの時のあの人のあの行動には、重大な意味があった、とか。
読み返せば、きっと1回目とは違う楽しみ方が出来る筈。

これは原作に限らず、映画にも同じ事が言えるだろう。
DVDが旧作になったら、借りて観直してみよう。
堀北真希で脳内再生したら、雪穂がピッタリだった!



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